AIコピーライターは人の欲望を掻き立てられるか

Maria Ishii
Jan 19, 2021

Hypotenuseが提供するサービスは、ECサイトやショップ向けに商品説明のコピーライティングを自動化することを目的としている。ユーザーがその製品の利便性を訴求することに特化しており、家具やファッション、アパレルなどの商材向けに製品開発をしている。将来的には、ShopifyのようなEコマースプラットフォームとの連携なども視野に入れている。

Hypotenuseに商品画像と既存の商品のメタデータをアップロードし、説明文が提供される。コンピュータビジョンを使用した商品画像の解析を行ってい、商品のメタデータと一緒に使用することで、「人間らしい」作文を生成することができる。数秒のうちに何千ものコピーを生成することが可能。

多くの作業は、機械学習モデルやニューラルネットワークモデルを使用して、人間のように非常に流暢に話すことができるようにすることに費やされました。それをビジョンモデルと組み合わせることで、非常に流暢な記述を生成することができる。

今後は、「イメージに忠実」なだけでなく、「会社のブランドやライティングスタイルに合った」ものを生成できるようにすることで、顧客のニーズに合わせて出力を調整できることを目的にしている。

AIコピライティングサービスの Phrasee を 4 年間も活用するのが Ebay だ。同社は規模を拡大していく中で、顧客との関わり方において、パフォーマンスを向上させることができる先進的なテクノロジーを継続的に探していた。2016年に eBay はAI技術を採用し、キャンペーンを規模に応じて最適化を図っていました。

Phraseeのコンピューティング言語学者チームは、eBayのオーダーメイドの言語モデルを構築した。これにより、eBay は数回のクリックで大規模なコピーを生成することができるようになりました。

PhraseeはeBayの優先市場であるイギリスとアメリカで、ニュースレターマーケティングにおいて、メールの件名の最適化に焦点を当てた。のちに、開封率とクリックスルー率が以前のマーケティング実績と比較して常に驚異的な結果を出していたことから、ドイツでも展開される。

Phraseeとの提携以来、イギリス、アメリカ、ドイツでは好成績が確認できた。米国のeBayでは、平均オープン率が15.8%増、平均クリック率が31.2%増しており、安定したROIを出している。平均して、Phrasee は 1 回の配信でで 700,000 件以上の開封率アップと 56,000 件以上のクリック率アップを実現している。また、メールの件名とヘッドラインの文言を最適化することで、42.3%のクリック率アップを実現している。

AIにまつわるよくある疑問といえば、AIによって仕事がなくなるのではないかという疑問だ。Ebay のクリエイティブ・ディレクターの Molly Prosser は、 Ebay でもそのような疑問は上がったが、実際はデザイナーにとってのフォトショップのように、コピーライティングを行う一つのツールだと語る。コピーライティングのクリエイティブな作業により時間をかけるために活用する事例が多い。それよりも、どのようによりブランドに寄り添ったライティングをアルゴリズムに組み込むことができるかに注力しているとのこと。

パーソナライゼーションは今、非常に注目されている。小さいチームが、何百万人、何百万人もの顧客に対して、刺さる言葉をかけるにはどうしたらいいのか?Phrasee のような技術を使うことでキャッチコピーの最適化を通して、正しい顧客をターゲットすることを図っている。

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Maria Ishii

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